住んでみると非常に心地の良い国、フィリピン

私が、フィリピンに赴任したのは、2012年、日系企業が、”チャイナプラスワン”で、進出が盛んな時期でした。ちょうど、堺雅人が演じる銀行員の半沢直樹がドラマで中で「倍返し」を流行らせた頃でした。ドラマの中で、半沢直樹から倍返しをされた支店長が、「フィリピン マニラ支店 勤務を命ず」という左遷の辞令を受け取るところで、ドラマが終わりました。一般の日本人にとっては、フィリピンの印象が薄く、こんなネガティブな印象が一般的だったと思います。

1986年に起きた、大手商社のマニラ支店長が誘拐された時の記憶が、払拭できていないことも一因だと思います。また、今まで蓄財をするために、政治的権力を利用してきた(イメルダ夫人の靴コレクション)ことも、悪い印象になっていたと思います。また、テレビで放映されたゴミ山をあさる、貧しい子供たちの姿も、フィリピンの印象を悪くしていました。

自分よりも、家族の方が心配していました。そんな心配と共に、フィリピンに赴任しましたが、その心配は、完全に良い方に転びました。

確かに、コンビニや商店の入り口には、けん銃や自動小銃を持った警備員が立っていますが、警備員もとても人懐こい表情をしています。地域的に危険な地域はありますが、そこに足を踏み入れることがなければ心配ありません。

一般的に、フィリピンの人たちは親切で、住んでみると非常に心地の良い国です。また、自然が豊かで観光地としてもお薦めです。

フィリピンは大小7,107の島々から成り、インドネシアに次いで世界第2位の群島国家です。そのうち名前がある島は約4600で、人が住んでいる島は1000ほどです。 首都マニラがあるルソン島をはじめ、ミンダナオ島、セブ島などの主要11島で総面積の96%を占めています。ちなみに、日本には6,852の島があると言われています。ここでは、赴任期間中に訪ねた、観光地を紹介しようと思います。

セブ島

フィリピンの観光地で、一番有名なのは、セブ島でしょう。Cebu PacificというLCCも日本から飛んでいますし、フィリピン航空もセブ島に直接飛んでいます。最近は、韓国人と中国人の新婚旅行客の人気スポットなので、現地ではそれらしきカップルがたくさんいます。ただ、観光地化が進んでいるので、自然を楽しむためには、周辺の島に部に移動する必要 があります。マニラからも1時間半で行けるので、気楽にマリンライフを楽しむには最適です。また、島なのでシーフードも豊富です。

海の見えるレストランで、のんびり過ごすと、忙しい日本を完全に忘れられます。セブ島には、シャングリ・ラやマリオットなどの、世界的に有名なホテルが、リゾートホテルを経営しています。今回は、少し奮発して、プール付きの部屋にしましたが、こんな贅沢ができるのもフィリピンの良さです。

ビガン

ビガンはマニラの北400kmにありニノイ・アキノ空港から約1時間です。19世紀まで、スペインの植民地だったので、スペイン統治時代のテイストを残した遺跡はいろいろなところに残っています。ビガンは1574年に建設され、16世紀からのスペインによる統治下で商業、貿易の拠点として栄えました。

1999年に旧市街地が、ビガン歴史都市としてユネスコの世界遺産(文化遺産)に登録されています。ここには、スペイン時代の街並みがそのまま残っているので、現地の人たちからも人気の観光スポットです。ゆっくり、スペイン風の街を見ながらの散歩も楽しいですが、街並みを、昔風の馬車で観光できるのも、一度は経験してみたいオプションです。

バナウエ

これは、1995年に世界遺産に指定された、棚田群です。山の斜面に2000年以上前から切り開かれた棚田は、つなげると地球半周分、2万kmに及ぶと言われています。

陸路でしか行けないので、マニラから車で約5時間掛かります。ガイドブックでは、バスで8時間~10時間掛かると紹介されていますが、バスでの旅行は冒険するつもりでなければお薦めしません。今回は、ルソン島の北を回って10時間掛けて行きました。さすがに到着した時はグッタリでした。ここでは、日本の高床式倉庫のようなロッジに宿泊しました。山頂から見る、棚田は壮観で、思いがけず原住民の衣装を着た方の歓迎もありました。

パラワン島

フィリピンに行ったら、一度は訪れたいのは、パラワン島のEL NIDOリゾートです。ニノイ・アキノ空港のリゾート会社の専用ターミナルから専用機で、パラワン島にあるEL NIDO空港まで約2時間で行きます。空港から、ジプニーに乗って船が出る港まで行き、船に乗り換えて、このリゾートホテルがある4つの島、APULIT、MINILOC、LAGEN、PANGULASSLANのどれかに宿泊します。1つの島には、1つのリゾート施設があるだけなので、プライベート・アイランドになります。島の中のコテージは、海に面し ていて、ベッドルームから海を眺めることができます。

今回私たちは、MINILOCに宿泊しました。

このリゾートでは、バイキング方式の食事が提供されるので、飲み物以外はお金も掛かりません。また、アイランド・ホッピング、シュノーケリング、サンセット・クルーズなどの、オプションアクティビティも予約すれば無料で利用することができます。

アイランド・ホッピングでは、船に乗って、美しいビーチを訪ねたりAPULIT、LAGEN、PANGULASSLANなどの自分たちが宿泊しているのとは別のリゾートホテルに行き、そこでランチを食べたり、そこのプールなどの施設を利用することもできます。

サンセット・クルーズでは、夕方に船で出かけて、夕日を見るといったとてもロマンチックな体験ができます。

ホテルのビーチには、シーカヤックがおいてあるので、それを使って海上散歩を楽しむことができます。今回は、泳ぎの不得意な家内も一緒に、海の散歩を楽しむことができました。

と言っても、リゾートに行ってゆったりとした時間を過ごしに行くので、このアクティビティに参加しなくても、ゆっくり過ごすことができます。最低でも3泊4日は確保して、このリゾートに行きたいものです。

このリゾートのスタッフはとてもフレンドリーで、最後に船が島を離れるときに、歌を唄って見送ってくれるのには、感動してしまいます。

日本人が、非日常を感じるために一度は行ってみたいリゾートです。