はじめに
アフリカと聞いて読者の皆様は何をイメージされるのでしょうか?
私は、何故か若い頃に読んだ山崎豊子さん作の長編小説“沈まぬ太陽・アフリカ編”を思い起こし、その情景が今でも焼き付いています。
そのアフリカですが、ビジネスの世界では“最後のフロンティア“と言われています。また日本からはかなり遠く、前回寄稿させていただいたエジプトも、アフリカの一角な入り口でもありますが、人種、民族、言葉、文化そして気候までも様々であることから、とてもひと括りでの説明は困難であろうと思いつつ、キーボードを叩いています。
フロンティア、まさに開拓という言葉なのですが、例えばアフリカ大陸の北部にあるサハラ砂漠、あの辺りから南をサブサハラと言います。そして今でもその周辺は、世界の未電化人口7億5千万人の77%を占めるそうです。ビジネスをスタートさせる土台がまだ整っていない部分が他の地域以上に多いから、これがフロンティアと呼ばれる理由ではないでしょうか。
そう書いていて、はだしの国で靴を売るというマーケティング・ストーリーを思い出しました。
御笑覧いただければ幸甚です。
アフリカのイメージはやはりコレから?
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本場の本場、これぞサファリパーク… あまりにいろんな国々にこうした自然豊かな光景がありどこの国なのか分かりません。 |
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南アフリカ
私がはじめて、アフリカという括りでの国を訪問したのは、1993年のエジプトでしたが、やはりアフリカっぽくないとも思いますので、まずは思いっきり大陸を南へ縦断した南アフリカを紹介させていただきます。
初めて訪問したのは今から20年以上前で当時はイギリス赴任中でしたが、初めて空港へ降り立った時の印象は、ここ“イギリスだ!“というものでした。空港の作り、デザイン、街の風景は、まるっと、イギリスと一緒の様な感じでした。違うとすれば人口の93%近くが黒人をはじめとする有色人種という事で、歴史的にアパルトヘイト政策をとっていた負の歴史、そして何よりも、気候に恵まれた大地からの美味しいワインやお肉、海の産物などの、イギリスでは食せないような美味しい料理であったかと。
また、犯罪都市で名高い首都圏近郊のヨハネスブルグなどやはり危険度は高く、驚いたのは車のナビゲーションシステムでは地図上に☠ドクロマークが映し出され、付近は路上強盗出没多発地点と表示されるなど、これまた格別なものです。
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喜望峰が近い、南アフリカ南西部の都市ケープタウン周辺は、ワインの本場。ブドウ畑とワイナリーでの試飲と美味しい料理はたまりません。特に欧州からの観光客が多いです。 (写真;筆者撮影) |
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タンザニア
次に、紹介するのは、東アフリカのタンザニア。タンザニアの石と呼ばれる“タンザナイト”は、宝石で有名。元々ルビーを探しに来たものの、代わりに発見されたこの石は、アメリカの宝石商ティファニーにより一気にステータスが上がったとされています。
初タンザニア訪問の際に当時の駐タンザニア日本大使との面談で、南アやエジプトへの渡航経験しかなかった私へ、“ようこそ本当のアフリカへ!“と歓迎いただいた事を、つい最近のように覚えています。
また、別のタイミングでしたが、秋篠宮同妃両殿下ご訪問の際に、当地で開催されていた展示会へお越しになり、説明をさせていただいた時のことが、とても懐かしくよみがえっています。
同じタンザニアですが、ザンジバル言う島があり、それがまた格別に綺麗な海に囲まれた、とても心地よい観光地でもあります。 コロナ直前でしたが、私は5年ほど前に映画化されたボヘミアン・ラプソディーに魅せられて、主人公でもあった元QUEENのボーカル 、フレディ・マーキュリーの生家を一目見たいと思って、ゴルフバッグも担いで飛んで行ったものです。
言葉より分かりやすく写真でアフリカを
タンザニア
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タンザナイト 空港売店から観光地でもどこでも売っています。 |
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タンザニアで普通に出くわす光景。子供たちの笑顔がとてもまぶしく活力を与えてくれます。 |
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同じくタンザニアですが、ザンジバル(島)… 同じ国ですが歴史的背景から、本国タンザニアから渡航の際は同じ国なのに出入国手続きが必要です。 |
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ナイジェリア
他にも、アフリカ西部の国で、アフリカ最大の人口を要するナイジェリア。ここもまたディープなアフリカで、言葉では説明できないアフリカ、と言っていいかもしれません。
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首都ラゴス空港でセキュリティガードの警官とパチリ。市内にはいたるところにショッピングモールもあり、ハードロックカフェもあったりして、欧米資本も入り以前より暮らしやすいようになっています。一番の驚きは、空港の新ターミナルまるごとメイドインチャイナで、中国のアフリカ進出のものすごさは目を見張るものがあります。 |
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首都ラゴス空港でセキュリティガードの警官とパチリ、市内にはいたるところにショッピングモールもあり、ハードロックカフェもあったりして欧米資本も入り以前より暮らしやすいようになっています。 一番の驚きは、空港の新ターミナルまるごとメイドインチャイナで中国のアフリカ進出のものすごさは目を見張るものがあります。 |
まとめ
別稿のエジプト編(アフリカの北としてカウントです)に加えて、今回南、東、西と大まかにアフリカを一周してみましたが、とてもこれではすべてを語れません。
なんと言ってもアフリカ大陸には56か国(未承認国家2ヵ国含む)があり、人口は、2023年で14.6億人、いわゆる人口ピラミッドを見てみると、ピラミッドというより土台のしっかりした東京タワーかエッフェル塔か?と思うようなカーブが描かれています。
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驚異の人口ピラミッド比較 – アフリカ vs 日本 |
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先進7か国G7の人口が7.7億という事なので、既に2倍近い人口で、まさに若い世代が圧倒的多数という事から、フロンティアにふさわしい所だと感じます。
日本政府は、1993年よりアフリカ開発会議(TICAD、Tokyo International Conference on African Development)を国連、アフリカ連合、世界銀行などと8回開催しており、次回9回目の開催は2025年横浜での開催が決定しています。 (前回は2022年アルジェリア・チュニスで開催)
かつて日本も戦後復興から世界の国際機関より援助を受けてきて、あまり知られていない事かも知れませんが、世界銀行からの支援の返済完了が1990年でしたので、今は逆に日本がアフリカに限らずですが国際協力していることに納得感を覚えています。
是非、これが“最後のフロンティア”と言われるアフリカ訪れてはいかがでしょうか?


















