(写真は記事の内容とは関係ないですが、メキシコで筆者が撮影したものです。)

ラテン諸国はレディーファースト

ラテン系の国は全て、レディーファーストの社会です。エレベーターで、誰が先に降りるか、というアレです。

ラテンでは、エレベーターなどでは、男性は自分の方がドアの近くにいても、さっと後ろにいる女性の為にスペースを空けます。メキシコはマッチョの国で、男性優位と言われていますが、少なくとも公の場ではレディーファーストを徹底しています。尚この文中では「メキシコ人」と記載しますが、ラテン系の国はどこも同じと思って頂いて間違いありません。

メキシコで、欧米人観光客の人気No.1サンミゲル・デ・アジェンデの街並み

メキシコのエレベーターで

日本からメキシコに出張に来られる方は、特にあまり海外経験のない方だと、女性がいても何の疑いもなく先に降りられます。私は個人的には、このラテンの習慣にはなかなか馴染めず、また後述する理由で男性に先に降りてもらいたいので全く構いませんし、むしろそれだけはっきり先に降りて下さる方が楽なのですが、問題は、海外経験が多い、日本からの出張者の方々です。

メキシコ人女性に対して、スマートにさっとスペースを空けて下さるのですが、日本人の私だと、私が「お先にどうぞ」という仕草をするせいもあるのですが、一瞬日本の習慣が出てしまって先に降りかけ、はっと気がついて「いえ、お先にどうぞ」と引いて下さります。それでも私は一瞬躊躇して、少し悩んだあげくに先に降りるのですが、このやりとり、時間にしてほんの数秒足らずではあるものの、普通に早くエレベーターを降りたい後ろのメキシコ人たちにとっては、はた迷惑に違いありません。

その無言のクレームの気配に敏感な日本人の私たちは、結局は、どうでも良いから早く降りねばと、押し合うように同時に降りることがしばしばです。

なぜ日本は男性が先で、メキシコは女性が先か

私が男性に先に降りてもらいたい理由は、本当か嘘かわかりませんが、日本で男性が前に出るのは、日本では敵は前から来るので、男性が女性を常に守る為だからだ、と聞いたからです。

それを聞いてから私の中では、果敢に女性を守って敵に立ち向かう武士のイメージと、女性を盾にして後ろに隠れる気弱なラテン男性のイメージが出来上がってしまっています。

確かに、エレベーターのドアがあいて、外で怪獣が待っていたりするかもしれないので、そういう危険を考えると、やはり先に男性に降りてもらいたいです。ラテンでは、敵は後ろから来るのでしょうか。いずれにしてもこのラテンのレディーファーストは、英国紳士の After youともちょっと違うような気もします。敵は前から来ると言うこの理論は、日本男性は失礼だと思われないように、ラテンの女性にも教えてあげています。

ちなみにラテン系の男性に言わせると、日本女性は黙っていてもちゃんと男性の後をついてきてくれるけれど、ラテン系の女性は目を離すと勝手にどこかに行ってしまうので、常に後ろから見張っている必要があるのだとか。

メキシコシティのお洒落な界隈ローマ地区

メキシコのエレベーター、女性が2人だと?

ところで、エレベーターで女性が2人の場合はどうでしょうか。

例えば一応日系企業でマネージャーの肩書を持っていた私が、受付嬢やアシスタントなど、役職上の地位が明らかに私よりも低い女性と2人でエレベーターに乗っているとします。この場合、その役職が低い方の女性は、当たり前のようにさっと自分が先に降ります。そうすると、後ろに残された私は何となく優越感を感じてしまうのですが、ということは、エレベーターでさっとレディーファーストを実行する男性は、実は、自分の方が女性よりも偉いという優越感を感じているのではないでしょうか、と思うこともあります。

例えば社長と運転手など、男性が2人の場合は、運転手は身を引いて社長に先に降りてもらっているようですが、役職がもう少し近い男性2人の場合は、どういう心理が働くのでしょうか?

ちなみに女性が2人だけの場合は上記の通りですが、女性だけで3人以上になると、皆が我先に降りようとして、ドアの前で団子状態になります。

世界遺産の古代都市遺跡テオティワカン(遠景は「月のピラミッド」)

女性がいるときの車の乗り降り、会議での着席、パーティでの挨拶

レディーファーストで気を付けないといけないのは、エレベーターやドアの出入りだけではありません。車の乗り降りの際は、女性が自分でドアを開けなくてもよいように、さっとそちらに回ってドアを開けてくれます。男の子も小さい時から、お母さんが乗り降りするときはさっとドアの方に行って、ドアを開けるようにしつけられています。

ビジネスでは、客先との会議に女性がいる場合、その女性が座るまでは男性は着席しませんので、これも注意が必要です。

またフォーマルなパーティーでは、女性は座ったまま挨拶します。ソファーに座って談笑していて、後から来た男性が挨拶にきたので立って挨拶したら、隣に座っていた淑女から、女性は座ったままで挨拶するのよと、そっと耳打ちされました。立って挨拶するのは、優雅ではないそうです。ただカジュアルなパーティーだと、立ってハグと頬へのキスで挨拶しますが、日本人はボディタッチの挨拶はなかなか慣れませんね。

メキシコの夕陽