東南アジアの魅惑の国 ベトナム

皆様、こんにちは。コロナ禍の生活が始まり、およそ2年が経ちました。2年前のコロナウィルス感染拡大のニュースを初めて見た時、まさかこのような事態がここまで長引くとは、思いもよりませんでした。いち早く終息して、コロナ前の生活に戻ってくれることを願っております。

さて、本号では、東南アジアの魅惑の国、「ベトナム」に関するテーマでお話しさせて頂きます。

ベトナムは、これまで外資を積極的に誘致し、著しい経済成長を続けて参りました。労働人口も豊富で賃金も低く、中国の南方とも国境で接していることもあり、特に2000年代に入ってから、日本をはじめ、韓国・台湾など、多くの外資系企業のFDI投資先として世界中から注目を浴びている、チャイナ+ワンの有力な候補先の一つです。

国土は33万 km2弱、日本列島から九州を除いた面積に相当する縦長の国土に1億人近い人口を有し、平均年齢もおよそ30歳と若い、将来有望なマーケットを誇っています。

私はそんなベトナムに夢を馳せ、社会人生活3年目が終えた2010年に一心発起でベトナムに移住し、およそ8年間、北部ハノイ近郊や南部ホーチミン市などで居住しました。

その中で気づいたことですが、海外で長期的な生活を送るためには、やはり現地のローカルフードが自身に口に合うかどうか、「食生活」が充実しているかどうかがとても大切だと感じております。

幸い、小さい頃から食べ物に対して、あまり好き嫌いのなかった私は、ベトナムへ渡航した当初より、現地で食す「ベトナム料理」も特に抵抗感なく美味しく頂くことが出来ました。ベトナム料理は、中国文化や植民地統治時代のフランス文化などの影響を色濃く受けており、あるいはカンボジアやタイ王国の料理とも通じるところもある料理で、米食を基本としています。

そこでこれまで私がベトナムで食べた特に思い出に残る「ベトナム料理」、「ベトナムの食べ物」を5つご紹介させて頂きたいと思います。

思い出に残るベトナムの食べ物

1 フォー

「フォー」は、ベトナム料理の中でも最もポピュラーなベトナム料理と言っても過言ではない、有名な麺料理です。米粉を原料としており、形状は日本の「きしめん」のように、薄く平たい形をしています。

ベトナム全土で食べられていますが、特にベトナム北部が本場であり、現地レストランや屋台、ホテルの朝食など、街中の至るところで食べることができます。牛骨や鶏ガラから煮だしたあっさりスープに、牛肉や鶏肉、ネギを主とした香草類がトッピングされているベトナム人の国民食の一つです。

※右側の写真の(中国式揚げパン)をスープに入れて一緒に食べるのも「ツウな食べ方」です。

2 バインミー

続きまして、「バインミー」は、フランスの植民地時代の影響を受けた食べ物であり、ベトナム風のサンドイッチです。本来は、単に「パン」そのものを意味する言葉ですが、やわらかいパン(主にフランスパン)に切り込みを入れて、バター、パテ(レバーペースト)、野菜、ハーブ類、卵焼き、肉など好きな具材を挟んで、チリソースや、ヌクマム(魚醤)などを振り掛けて食します。

前述のフォーもそうですが、バインミーもベトナム人がよく食す朝食であり、朝から路上のバインミー屋さんの傍にバイクを停めて、バインミーを美味しそうに頬張る現地の人々をよく見掛けます。携帯性が良いことから屋台で食すだけでなく、テイクアウトやデリバリーでもよく販売されており、列車や長距離バスの車中でも食べているのを見かける人気のファーストフードです。

※右側の写真は、普通のバインミーではなく、こねた魚の身を揚げたものを挟んでいるバインミーチャーガーと呼ばれるものであり、地域などによって様々なバリエーションのバインミーが見られます。

3 フォークオン

「フォークオン」は、麺状に切る前のフォーの生地に香菜や牛肉をクルクルと巻いている料理です。ヌックマム(魚醤)をベースにした甘酸っぱいタレにつけて食べるのですが、これがまたクセになる味です。

 北部ハノイのチュックバック湖の近くには、フォークオン専門店があり、現地の市民、外国人など多くのお客で賑わっています。

 

4 ブンチャー

「ブンチャー」は、「ブン」と呼ばれる、そうめんのような細い麺(米麺)を、たけのこなどが入った甘酸っぱいタレにつけて食す「つけ麺」料理です。

炭火で焼いた豚肉と肉団子などと一緒につけて食べるのですが、ジューシーな豚肉と甘酸っぱい魚醤が混ざり合う、これがまた食欲を刺激する味わいで、「ブン」を何皿もおかわりしてしまうほど美味です。北部地域発祥の料理と言われておりますが、南部などでも多く専門店を見かけます。

 

5 ネムチュア

最後に、「ネムチュア」は、豚肉などを原料とするベトムの発酵食品です。イメージ的には、酸っぱい豚肉の発酵ソーセージスティックでしょうか。

一般的な調理法としては、豚モモの挽肉に砂糖、油、胡椒、唐辛子等を加えて混ぜ、さらに茹でた豚皮の細切りと炒った米粉を加え、棒状に成形します。そして、グアバの葉とバナナの葉で包み、涼しい所にて数日間発酵させて完成となります。

そのままでも既にピリッと辛い味ですが、現地の人々はさらにチリソースなどにつけて食します。この辛さがなんともなんとも癖になる味わいで、またこれがビールのあてにピッタリ、私も真夏の暑い日のビールのおつまみとして食べることが多いです。

以上、私の赴任国 「ベトナム」の美味しいものについて、ご紹介させて頂きました。

日本で食べるベトナム料理

私は妻が北部出身のベトナム人なのですが、日本食と半々ぐらいの割合でベトナム料理を作ってくれますので、日本に帰国してからも、ベトナム料理を食べる機会は多くあります。

今では、日本料理よりもベトナム料理が食卓に並ぶのが楽しみな時もあり、ベトナム料理が私の食生活の一部になっています。

 最近は、技能実習生や留学生など、日本で就業・就学するベトナム人も多いことから、日本の各地でもベトナム料理店やベトナムの食品雑貨を扱うスーパーを見かけるようになりました。もちろんご出張など現地で直接ベトナム料理を味わって頂ければ現地の雰囲気と相俟ってより美味ではありますが、コロナ禍で現地に渡航できない状況ではありますので、ぜひ皆様も機会がありましたら、日本のベトナム料理店などでも、これらのベトナム料理を味わって頂ければと思います。